障害年金請求に必要な3つの要件
障害年金を受けるためには主に次の3つの要件が必要となります。
1.初診日要件
2.保険料納付要件
3.障害認定日要件
1.初診日要件
初診日に国民年金や厚生年金の制度に加入していることが必要です。
●初診日とは
初診日とは障害の原因となった病気やケガで初めて医師の診察を受けた日です。実は障害年金の請求において、この「初診日」が非常に重要となってくるのでいつが初診日なのかを慎重に確認していかなければなりません。具体的には以下のようなものがポイントとしてあげられます。
1.初診日にどの公的年金制度に加入していたかにより、受けられる年金が決まります。
2.保険料の納付要件を満たしているかどうかが初診日の前日で判断されます。
3.認定基準に該当するかどうかを判断する「障害認定日」を決めるための基準となる。
上記1については、加入していた年金制度が国民年金なのか、厚生年金なのかで支給される年金額は大きく変わります。厚生年金に加入していた場合には障害厚生年金が障害基礎年金の上乗せとして支給されるからです。また厚生年金に加入していた場合に支給される障害厚生年金には、障害の程度が1級や2級に該当しない比較的軽度な障害状態でも年金がもらえる3級、さらに3級に該当しない軽度の障害でも一時金である障害手当金がもらえる場合があります。
このように重要な初診日ですが、何年も過去にさかのぼって医師の証明を取らなければならず初診日が確定できなかったケースや、病気の原因がわからずにあちこちの医療機関を受診していたためどこが初診日になるのかわからないといったケースも多々あります。自己判断で初診日を確定してしまったり、医師の証明が取れないとあきらめてしまう前に、専門家にご相談いただくことをお勧めします。
2.保険料納付要件
初診日の前日において、次のいずれかの保険料の納付の要件を満たしていることが必要です。
1.初診日のある月の前々月までの加入期間のうち、納付(または免除)期間が2/3以上あること。
2.初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の滞納がないこと。
(初診日に65歳未満であることが条件)
まずは「直近一年要件」といって、「2」の1年間の保険料が未納になっていないかどうかを確認します。初診日まで数年間会社にお勤めしている方はこの要件を満たしている場合が多いので安心ですね。また、国民年金に加入している方は、免除申請をしている場合でも納付要件を満たしたことになります。保険料を納められないときには未納のままにせず、免除の申請を受けられるかどうかを年金事務所やお住まいの市町村役場で確認してみてください。「2」の要件を満たせない場合には「1」の納付要件の確認をします。お手元の年金定期便などでも確認はできますが、年金事務所等で正確な納付の状況を確認することが大切です。
3.障害認定日要件
障害認定日とは文字通り障害の状態に該当しているかどうかの認定がされる日です。具体的には次のいずれかを指します。
1.初診日から1年6ヶ月が経過した日
2.初診日から1年6ヶ月が経過する前に傷病が治癒した場合、あるいは症状が固定した場合はその治癒した(または症状固定)日
3.上記1または2に該当する日が20歳前の期間にある場合には20歳に達した日(20歳の誕生日の前日)
障害認定日の特例
初診日から1年6ヶ月の日より前に次のような日がある場合には、以下にあげる日が認定日となります。
● 人工透析療法を行っている場合は、透析を受けはじめてから3 ヶ月を経過した日
● 人工骨頭または人工関節を挿入置換した場合は、挿入置換した日
● 心臓ペースメーカー、植え込み型除細動器(ICD)または人工弁を装着した場合は、装着した日
● 人工肛門または新膀胱の造設、尿路変更術を施術した場合は、造設または手術施行の日
● 切断または離断による肢体の障害は、原則として切断または離断した日
(障害手当金または旧法の場合は、創面が治癒した日)
● 喉頭全摘出の場合は、全摘出した日
● 在宅酸素療法を行っている場合は、在宅酸素療法を開始した日
● 脳血管疾患による肢体障害等であって、初診日から6 ヶ月経過後の症状固定日
(初診日から6 ヶ月経過で一律障害認定となるわけではなく、診断書等に「症状固定」や「回復見込みなし」等の記載があれば、例外的に障害認定の診査が受けられるもの)。
● 人工血管または人工心臓の装着、または心臓移植の施術を受けた場合は、装着または施術の日